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今回の主人公は、ある地方都市で女子校教師を30年勤めあげ、定年退職した北村 輝彦(55歳)と黒澤のエピソード。

北村は妻に若くして先立たれ、子供もなくひとりで20数年、教師として恥ずかしくない生活を送ってきた。(と自負している)
しかし、退職をしてみると、生徒たちと接する機会が少なくなってか、心にすきま風を感じる日々が多くなってきた。
妻を亡くしたあとの程ではないにしろ、こんな気持ちになるのは久しぶりのことだった。

そんなある日、久しぶりに飲んだ日の帰り道(魔がさしたというか、自分でも不思議だが)はじめてブルセラもののアダルトビデオを買ってみた。自宅に帰り、早速見てみた。・・・こんな世界があったのか(どう見ても女子校生じゃないか)

これまでほとんどアダルトビデオなど見たこともなかった北村には衝撃的な内容だった。
それ以来、北村は悶々とした日を送ることになる。

妻を亡くしてから、他の女性と付き合うこともなく、風俗通いにハマることもなく過ごしてきた。
援助交際で身を崩した同僚も見てきた。でも自分は手を出すわけにはいかない。(死んだ妻に顔むけできない)

ならば合法的に・・・本番はできないだろうか。
それも風俗などではなく、もっとリアルに・・・。
初めて見てからというもの、すでに20本余りのブルセラビデオを購入していた。

そして北村は、いつしか自分でもこんなビデオを作ってみたい・・・と思うようになった。お金なら退職金がそのまま残っている。子供がいないので、老後の蓄えとして残してはいるが、自分のために使うのも悪くないと思い始めていた。
でも、素人にビデオを撮ることなんてできるんだろうか。

ビデオパッケージに記載されている住所をもとに電話番号を調べ、問い合わせをしてみた。
電話に出たのは黒澤だった。
ブルセラビデオのことをいろいろと問い合わせする北村に黒澤は、いやな顔をせず丁寧に答えていった。
北村は黒澤に対して、好感を持つのに時間はかからなかった。
逆に電話をする前までは、こんな仕事をしている人間に対して差別的な感情さえ持っていた自分を恥じた。
北村は一度お店に行ってみたいと思うようになった。

東京へは、学校の研修会で来て以来10年ぶりくらいになる。
そして女子校生の聖地・渋谷を初めて訪れた。
北村はびっくりした、人ごみもさることながら、女子校生の圧倒的な人数とその女の子のレベルの高さに目を疑った・・・ここは楽園か?

さっそく、黒澤の店に・・・事前に行くことは伝えず、店を覗いてみることに。
ここでも驚きをかくせない北村であった。
膨大な数のセーラー服、ブルマ、スク水(という言葉をはじめて知った)そしてナント、北村が勤めていた学校の制服が売っているではないか (誰が売ったんだと思った北村だが、後でコピー品と知ることに・・)
そして、店員に「黒澤さんはいらっしゃいますか?」と尋ねたところに丁度現れたのが、黒澤だった。

外見は(金色に近い茶髪で)派手な人だなと思ったが、先日の電話での対応を思い出すと、改めて(人を)外見で判断してはいけないなと、つくづく 思うのであった。
黒澤もレジのところにいた男性をみて紹介される前に、この人が北村さんだなと思ったという。

そして黒澤は一目見て、この人なら信頼できると確信し、ビデオ撮りの件を持ち出そうと決めた。
北村も先日の話しの続きをしたいと思っていた。
渋谷で飲み始めたふたりは、青山、六本木と朝まで語り合うのであった。

北村はビデオ撮影が決まって、昨晩の深酒で二日酔い気味ではあったが、気持ちは昂ぶっていた。(こんな気持ちは何年ぶりだろう・・・)

地元に戻った北村は、早速原稿用紙に向かい、構想を具体的にまとめ出す作業へ取り掛かった。
シナリオを書いては、黒澤宛にFAXで送り添削を受けていた。

シナリオも ほぼ決まり、次に女優選び。
宣材から数名をピックアップし、面接のため再度上京する北村。今回は2名の違ったタイプの女子校生を登場させるということで、1名はロングの黒髪で昔ながらの女子校生風、もう一方は所謂、渋谷系と呼ばれるタイプを選んだ。

Photo:面接の模様

撮影場所は、都内のスタジオから「学校の教室」と「生徒自宅の子供部屋」と「生徒自宅のリビング」といったセッティング可能な場所を選択。

この他、衣装選びなど細かい点を詰めて、いざ撮影当日へ。北村は、撮影日2日前から上京するという入れ込みようだった。

----約2ヶ月後----

すべての作業が完了し、納品日に合わせて再度上京してもらう。そして完成した作品を見て、感動する北村であった。

Photo:パッケージの写真


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